途上国の人たちから、僕たち外国人は「お金持ち」で「身分が低い」と思われています。
ここを理解しないで、海外に出ると、いずれ大失敗します。海外駐在7年目の商社マンが、詳しく説明させていただきます。
■こんな方にオススメ
・海外で働きたいと思ってる
・日本人は身分が高いと勘違いしている人
・室長の失敗談が聞きたい人
目次
ベトナムハノイ空港
先日、ベトナムハノイに出張していました。
ハノイ空港に着いて、トイレに入ったところ、スマホが置いてありました。誰かが忘れたのです。よく見ると、米ドルも少しスマホケースから見えました。トイレには僕しかいませんでした。
ここで問題です。
僕はどう行動したでしょうか?
①ネコババした。
②空港職員に渡しに行った。
③無視した。
正解は、、、
「③無視した」です!
これ非常に良い例でして、海外では、とにかくリスクを取らないこと、信じないこと、疑うことが、重要なんです。①は論外としても、②を選んだ人も、危機管理がなってません。脇が甘いです。
もし日本で、時間に余裕があれば、僕は②だと思います。誰に何を言われても、説明がきくからです。
しかし、ここは海外です。ベトナムのような言葉もろくに話せないところで、もし②をしようとして、持ち主が、ちょうどトイレに戻ってきて、ばったり出くわして「オレのスマホ盗みやがって!」と言い掛かりをつけられるかもしれません。お人好しは損するのです。
と、かっこ良く書きましたが、もしトイレに落ちてたスマホが、アンドロイドでなく、最新のiPhoneだったら、、1万ドルぐらいの札束だったら、、僕も合理的な判断(③)が、出来たのかはほんと怪しいところです。
瓜田不納履、李下不正冠
中国の諺には、
【瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず】があります。
カデンにクツをイれず、リカにカンムリをタダさず
ウリがある田んぼで靴紐を結んだり、桃の木の下で、帽子を被り直すなど、他人から疑われそうな行動(盗んでいるように映る)はすべきでない、です。
異国の地で、ひとりの外国人としての行動模範としては、まさしく、この諺通りなんです。
今回のケース、もっと疑いますと、罠かもしれません。盗撮されていて、僕がスマホを触ると、盗撮データを証拠に、訴えられるかもしれません。「外国人は、お金を持っている」と思われています。よって、嵌められて、お金を無心される可能性すらあります。
桃太郎のお婆ちゃんは、川で桃を拾いましてたが、海外なら、僕なら絶対にスルーしますね、危ないです。
中途半端な親切心は、ここでは不要なんです。外国人は、いくら頑張っても、海外では身分が低いんです。
身分というか、何かトラブルが起きても、現地警察は、自国民を信用するし、外国人を守ってはくれません。僕も彼らに、正確に状況を説明、弁解しきれません。
なので、僕たちは、トラブルに巻き込まれないように、細心の注意を払う必要があります。「立ちション」「路地で唾吐く」もダメです。喧嘩なんかもってのほかです。
インドでの失敗(室長の実話)
20代の若い頃、インドのとある出張先で、現地インド人が、僕の言うことを聞かないので、胸ぐらを掴んでしまったのです。これ絶対やってはいけないんですね。後で、社内でも、無茶苦茶、怒られました。
僕は、感情的になっていたのでなく、僕の真剣度を相手に示すパフォーマンスも含んでいたのです。手を出さなければ(殴らなければ)大丈夫だと思ってましたが、胸ぐらでも、簡単に訴えられるのだそうです。
お金で済めばいいですが、もし警察沙汰になれば、最悪、出国すら危ぶまれます。何をされても、キレてはいけないのです。企業が若い社員を、海外に出さない理由も、実はこういうリスクがあるもあるかもしれません。
現地人を信じるな
「向こうから話しかけてくる人は信用しない」
これは海外旅行の鉄則です。疑うことから入ること。繰り返しますが、途上国の人からすると日本人は、
・お金を持っている
・現地の事情に疎い
・身分が低い(警察を味方に出来ない)
のです。そこを24時間ずっと意識し続ける必要があります。
ネットに良い例がありました。日本人を狙ったインドでの詐欺事件です。両方同じ詐欺グループだそうです。被害者数は、正確に出てこないだけで、大勢いると思われます。ネットで自分の恥を晒している人は、氷山の一角ですしね。
実例①:75万円被害
実例②:230万円被害
時間がある方は、リンク先をしっかり読んで欲しいです。要約すると
1. 街中で声をかけられる
2. 友人の結婚式に出ないかと誘われる
3. マリファナを吸うように勧められる
4. 偽警察官に捕まる
5. 宝石店で、カード上限まで買物させられる
楽しい旅にしたくて、現地人を信用したい気持ちは分かりますが、絶対駄目なのです。
全員に海外に出ろとは言ってない
「海外は良いよ、皆んな挑戦しよう、これからはグローバルだぜ」というのが、このサイトのコンセプトです。しかし、心得ておいて欲しいのが、
仕事するにも、生活するにも、日本に勝る場所はありません。日本が最強です。
海外駐在員って、手当もあって、会社経費で、高級マンションで、運転手も付いて、豪華な生活してるんでしょ?と思われがちです。もちろん、そいう側面もあります。
しかし、海外であるからこそのストレスや危険があるのも事実です。今だに、行きたがらない人も多いし、だからこそ、企業もそれなりに手当を出しているのです。先週、僕の家の近くで、日本人駐在員が刺されています。
もしあなたが、日本の会社で、会社員として平均以上のパフォーマンスを出していて、家族もいて、家もあって、特に生活に不自由してないなら、無理に海外を目指す必要はないかもしれません。
僕のような、普通に生きていけない(生きたくない)少数派に残された道が、異国の地なのかもしれません。
よく「いつ日本に帰国するのですか?」と聞かれますが、僕はもう帰らない覚悟があります。日本の同調圧力や、集団行動が、ものすごく苦手だからです。
これを読んでいる方には「将来、海外で働きたい」と考えているかもしれません、が、それなりに他人と感覚がズレてないと、長期滞在は無理だと思います。短期旅行で見る海外とは違いますので。
See you tomorrow.