駐在員って、日本の給料プラスαもらいながら、物価の安いタイで生活してると、お金も貯まるんでしょ?と思われがちですが、意外に、そうでもありません。
途上国のタイだからといって、生活費が安く済むかというと、そうではないのです。なぜなら、僕の生活水準が「日本式」だからです。タイで、日本式を貫くと、生活費が高くつのです。
例えば、日本に移り住んだアメリカ人が「アメリカみたいな大きな庭が欲しい」と、アメリカ式を貫くと、高くつくのと同じかもしれません。
我が家の、タイでの生活コスト、自宅(動画付き)を、全て公開します。
■こんな方にオススメ
・将来駐在員を目指している
・海外移住も視野に入れている
・室長の私生活が気になる
目次
タイ人の生活水準
普通のタイ人が住む家は、湯船もないですし、冷水シャワーだけでお湯が出なかったりします。料理も作らない(基本は買って帰る)ので、キッチンも貧弱です。電気コンロが1つあれば良い方です。
年間平均気温が30度にもなりますが、空調がない部屋も平気にあります。その辺の道端では、100円以下で腹一杯、タイ飯が食べれますけど、それを毎日は続けれないんです。やっぱり日本食が恋しくなります。
タイ人の生活を、まとめますと、
・冷水シャワーのみ
・軟弱電気コンロ1つ
・ウォシュレット無し
・冷房無し
・不衛生なタイ飯
・子供を地元タイ公立学校へ通う
このような、戦後まもないぐらいの生活水準に耐えながら、駐在員出来れば、お金は貯まると思いますが、さすがに厳しいです。
タイ人並みの生活を半年経験
僕は、2011年、タイで働き出した時、まだ家族を呼び寄せてなく、1人でした。大学生の頃は、バックパッカーしたり、中国留学したり、ワンダーフォーゲル部に入ってましたので
と息込んでました。
半年ぐらいは、タイ飯ばかり食べてました。食事が楽しくなかったのです。食事中も、スマホを触りながら、口に入れる不味いタイ飯をなるべく見ないようにしてました。いつしか食事が「栄養補給するため」になって、苦行になっていました。朝ごはんも食べなくなりました。体重も減りましたね。
当時、仕事を極限まで詰め込んでたのもあり、精神的にも参ったしてました。ひとりタイ飯を食べながら、ポロポロ涙が出てきたのです。
と口から独り言が出ました。「給料も、そこそこあるのに、なんで、ここまで倹約してるんやろ?」と疑問に思ったのです。
次の日から、食事だけは、全て日本食になりました。それが今でも続いてます。
そんな日本食ばかり食べる僕を見て、出張者や旅行者は「タイ飯も美味しいじゃないですかー。室長さんは贅沢だなぁ」と言ってきますが「半年間、タイ飯食べ続けてみろ。ゴミにしか見えてこんから」と答えてます。
1ヶ月生活費
僕、嫁、子供3人の月々生活コストは、下記となります。1バーツ3.3円計算
■会社補助を含まない場合 → 56万円/月
住宅 | 132,000円 | 2ベッドルーム |
水道電気 | 16,500円 | 電気代高い |
食費 | 115,500円 | 基本日本食 |
通信 | 15,000円 | ネット代、携帯 |
学校 | 206,000円 | インター校 |
公文 | 46,200円 | 5教科 |
その他 | 33,000円 | |
合計 | 564,200円 |
自分でまとめて思ったのですが、教育費が高くて、全体の4割近くになってます。日本だと公立小学校では、ほぼ掛からない費用ですよね…
■会社補助を差し引いた実費 → 31万円/月
住宅 | 0円 | 2ベッドルーム |
水道電気 | 16,500円 | 電気代高い |
食費 | 115,500円 | 基本日本食 |
通信 | 5,000円 | ネット代、携帯 |
学校 | 96,300円 | インター校 |
公文 | 46,200円 | 5教科 |
その他 | 33,000円 | |
合計 | 312,500円 |
住宅費、携帯代、学校などの会社補助があるので、やっていけているようなものです。駐在員という立場で、海外進出しないと生活は相当キツイということです。
よく「タイは、月5万円で生活できます」みたいな情報がネットに溢れていますが、それは、独身 + タイ人生活水準、という条件を満たした場合だけです。断言しますが、ほとんどの人が該当しません。
上記には、一時帰国費、VISA費、iPhone買換え、日本側の固定費(住宅ローン、健康保険等)などは、含まれていません。不定期的に発生する費用も入れるとバカになりません。
結論、現地の人と結婚するぐらいでないと、現地での生活は、甘くないと思います。
住宅
6階建てのアパートに住んでいます。家族5名で100平米は狭いほうだと思います。家賃4万バーツ(約13万円)は、外国人が住むところとしては、安い方です。立地もそこまで良くありません。ト○タや、ホン○の駐在員ですと、ここより、倍以上のところ(30万円近い)に住んでいます。
廊下がやけに長くて、100平米といっても、狭く感じてしまいます。
日本と違って、プールとジムがあるのは良いですね。
駐在員のアルアルなのですが、大家から、2枚の契約書を作ってもらう方法です。会社補助が5万バーツ出るのであれば、実際は4万バーツのところに住んで、大家には偽の5万バーツの契約書を会社に提出して、差額の毎月1万バーツをせしめるのです。
僕はやってないですが、周りにはチラホラいますね。会社にバレたらどう説明するんだろう?とは思いますが…
食費
日系スーパーがあり、日本食品は何でも手に入りますが、とにかく高いんです。スーパー側も足元を見ているわけでなく、輸入コストや、賞味期限切れのリスクなど、考慮すると、それぐらいの価格にならざる得ないんですね。
納豆 約220円
色んなブランドがありますが、ほとんど輸入でして、3パック入りが、日本より2〜3倍します。納豆だけは、無性に食べたくなる時がありますよね。タイで作っている安いのもなくはないですが、不味くて食べれたもんじゃないです。
豆腐 約230円
味噌汁や鍋物に欠かせない豆腐。これも高いけど、必要なので買ってます。
日本のお酒 約3倍
僕は、お酒飲まないですけど、日本酒や焼酎などは、3倍が普通です。タイ産のビールなどは、格安なのですが、日本のものを飲むと高くつきます。日本へ出張すると、会社の命で、よく、接待用の焼酎をハンドキャリーさせられてます。
学校
子供には、インターに通わせています。年間100万円〜70万円ぐらいです。これでも安い方でして、バンコクのインター学費ランキング100校で、安い方から数えて6番目です。
日本人学校もあるにはありますが、日本政府が拠出しているわけではなく私立です。学費もそこそこ高いのです。入学金が、53万円。授業料が、年間48万円です。これに毎月バス代が掛かってきます。
タイ人が通う公立校も、見学しましたが、平均的な日本人にとっては、キツイと思います。トイレ環境、食事内容、カリキュラムなど日本より断然劣ります。タイ語を覚えられるチャンスなのですが、それよりも失いものが多すぎます。
駐在員ですと、インター校や日本学校に通わせると、会社が補助してくれるのですが、それが無いと、子供を学校に通わせるのは金銭的にも無理と思います。
習い事
日本人が通う、公文、これも高いです。1教科あたり3割増しです。子供3人を通わせてまして、月々5万円近くの出費です。子供の為にも、ここは削れませんよね。
日本(東京以外) | タイバンコク | |
小学生 | 7,150円 | 9,240円 |
パーソナルトレーニングも、トレーナーが日本人だと、ライザップまではいかないですが、週2回で、2ヶ月20万円ぐらいします。それで痩せれるなら安いのですが、日本にあるノーブランドのパーソナルジムに通う方が、断然安くつくと思います。
入場料
タイにある、動物園や、水族館などには、外国人価格が露骨に存在します。外国人だということで、タイ人より割増価格なのです。観光立国ですから仕方ないのかもしれません。外国人価格が、高けりゃ、行かないまでです。
いやらしいのが、タイ人価格は「タイ語表記」なのです。数字で表記していると、外国人にもそれとなく分かってしまうからです。日本で例えると「入場料 五百円 / Admission fee 1,000Yen」と書かれている感じです。外国人は、漢数字の「五百円」が読めないのです。
駐在員であれば、労働許可証があり、それを提示すれば、本人はタイ価格になりますが、うちの場合は、嫁や子供の分は外国人価格が適応されるのです。
日本人が絡む商品は高い
日本食や、日本人学校、日本人パーソナルトレナーなど、海外で日本人が絡む商品はどれも高いのです。絡むとは、そのサービスを作る側の話です。
それなりの日本食を食べたければ、料理長は日本人であることが多いですし、日本人学校も、先生は日本人です。パーソナルトレーナーも日本人ですよね。
先にも述べましたが、日本人が海外で、生活するには、日本より高くつきます。住居や食品などですね。駐在員である僕の給料や手当も高いんです。それは裏返せば、
日本人の海外維持コスト(給料)が高いので、彼ら日本人が絡む(生み出す)商品には、それなりのコストを転嫁しているとも言えるのです。
マルクス経済的(労働価値説)に解説しますと
おにぎり1つの価格は、それを作り出すためのコストの積み算です。それは、労働力+原材料の合計で示されます。この労働力とは、従業員の給料です。給料とは、従業員が、平均的な生活が送れる金額(コスト)となります。この従業員とは、タイに住むコストの高い駐在員を指します。結果、日本人が絡む商品が高くなるのです。
結局、何が言いたかったかというと、
日本式の生活を海外で送りたいなら、それなりのお金がかかる。駐在員か経営者しか、そんな生活は維持できないんです。現地採用(海外に出てきて、現地で仕事を探す)で働くなら、日本の平均以下の生活を覚悟しないとなりません。
海外で働きたい!海外ビジネスに興味がある!という軽いノリで、家族連れて、海外に出てくると厳しい現実がありますし、タイ人女性が好きになって、今の仕事を捨てて、タイに来たところでも、待っているのは「平均以下の生活」です。エンゲル係数も高くなる。納豆や豆腐が食べれない生活はキツイですよ。
生活水準は上げることはできても、下げることは、なかなかできないってことです。
※追記
本投稿を読まれた食品会社に勤める先輩から「食費が高いね」と、食材をいただくことになりました。ありがとうございます!ブログでは収益ゼロでしたので、初めての「収穫」となりました。
See you tomorrow.
[…] タイ駐在員の生活コストとは? […]