僕が、2004年に留学していた頃、華僑の友達ができました。
恥ずかしいのですが、彼らと会うまで、僕は「華僑」という言葉の意味を知りませんでした。
華僑とは、中国以外に住む中国系の人たちを指します。
共産国である中国は、毛沢東時代の文化革命、計画経済の失敗による大飢饉など、不遇の過去を持っています。
当時、沢山の中国人が、中国から逃げ出し、周辺国に移り住んだのですが、彼らが主に華僑と呼ばれるようになりました。
全世界に6,000万人もいるようで、世界の人口ランキングだと25位ぐらいの規模です。
その華僑の70%がアジア圏に住むと言われており、東南アジアでは、華僑がいないエリアがないぐらい多いです。
彼ら初代華僑は、裸一貫からのし上がった人たちばかりです。
移住先の言葉も話せない、土地や人脈もない、信じられるのは自分と家族だけ、
そんな不利な状況下で、努力し、代々にわたって、経済力をつけてきたのです。
すごいハングリー精神だと思います。
華僑の友人から教えてもらったのは『頭の中までは盗まれない』です。
成功した華僑は、他国で住んでいることから、そこの自国民から、嫉妬の的にされることが多いのです。
急に、政権交代して、国をあげて華僑への嫌がらせ(課税など)されると、彼らは直ぐに不利な立場となります。
しかし、彼らは、そんな非常事態にも動じません。
知識や経験など、頭に入っているものは、自宅に泥棒が入ろうが、地元政府に嫌がらせされようが、他人に渡ることは絶対にない、と理解しているのだとか。
だからこそ、自分の子供たちへの教育には熱心なんです。これは素晴らしい発想だと思います。
で、僕もこれを少し見習っています。
僕の子供たちはインターナショナルスクールに通っています。三人ですよ。
お金がいくらあっても足りないです(会社の補助があるから行けるようなもの)
僕は、一軒家やクルマ、海外旅行が、欲しいと思いません。同世代が、持っていても気になりません。
何故なら、僕が、もし将来、お金持ちになって、不動産や高級外車、ブランド物、株券を持てたとしても、それを子供達に相続すると、高い相続税(最高55%)が掛かりますよね。
そんなモノを持つのであれば、そのお金を、全額子供の教育にぶち込んだ方が、投資効率は良いのです。
子供たちの頭に入った資産(知識や経験)に、相続税は掛かりませんよね。
それらは盗まれもしませんし、一生のカネの成る資産となる可能性が高いんです。
ここが、華僑の考えと同じなのです。
僕は生命保険にも一切入っていません。
もしもの時の為に、掛け捨てで、お金を費やすのであれば、そのお金で、自分の子供たちに、良い教育を受けさせた方が良いと考えているからです。
なぜなら、生命保険で、数千万円が、妻や子供に残ったとしても、彼女たちが、お馬鹿だったら、そのお金を無駄に使って終わりですよね。
僕が亡くなった後に、子供たちに、魚(お金)を残してあげるのでなく、魚の釣り方(稼ぎ方)を残してあげる方が、彼女たちにとってはお得なのです。
将来、彼らが、成人して、それなりの家庭を築いたり、食うに困らないようになれば、実は、生命保険で、現金を残すより、トータル利回りが高いと思うのです。
しかも、子供たちの時代は「人生120年」かもしれません。
それだけ人生が長いのですから、人生の質を上げられる教育や教養が、最も重要なんですね。
■人生80年時代(いま老後の世代)
20歳までに教育を受ければ、その教育によるリターンを、60年間受け取れる。
■人生120年時代(いま子供の世代)
20歳までに教育を受ければ、その教育よるリターンを、100年間受け取れる。
→今と昔で、例え、同じ教育を受けたとしても、寿命が長い今の時代の方が、リターンを得る期間が長い。
だとすると、教育を受ける価値が、相対的に高くなっているとも言える。
結論としては、
一軒家やクルマを買うより、掛捨て生命保険に入るより「良い教育」を受けさせるべきなのです。