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商社 海外ネタ

商社ビジネスモデルが、最強な理由を、現役商社マンが解説するよ。商社不要論とは言わせない。

投稿日:2020年1月15日 更新日:

商社のビジネスモデルは「売りたい人と、買いたい人の間に入ること」なのですが、これは未来永劫なくならないと思う。そして最強だとも思います。

上場企業の商社マンとして12年間働く僕が、その理由を徹底解説します。

■こんな方にオススメ

・商社に興味がある

・商社を胡散臭く思っている

・ネットの時代には中間業者はいらないと思っている

 

ビジネスモデルの特徴

堀江貴文さんが、提唱する儲かるビジネスの4ヶ条とは下記です。

  1. 利益率の高い商売
  2. 在庫を持たない商売
  3. 定期的に一定額の収入がある商売
  4. 小資本で始められる商売

これらを全てクリアするとなると、最終的にはインターネットビジネスだけが残ったので、彼は、それなりの結果をインターネットビジネスで残したのだと思います。

商社のビジネスを、この条件に、当てはめてみると、、

  1. 利益率の高い商売 NO
  2. 在庫を持たない商売 YES
  3. 定期的に一定額の収入が入ってくる商売 場合によってはYES
  4. 小資本で始められる商売 NO

1)利益率は高くない

商社は、中間業者なので、利益率は低いです。メルカリや、ヤフオクも、厳密にいけば、中間業者ですよね。売りたい人と買いたい人の間に入ってます。

これが「手数料が30%です」と言われると、高く感じるので、買いたい人が寄ってこない、結果、ビジネスととして成立しません。

総じて、利益率は低くなりがちです。

 

2)在庫を持たない(=固定費が少ない)

在庫リスクがない

商社の最大の強みは「在庫を持たない」です。これが何を意味するのかというと、急に不景気になっても、在庫リスク(ものを作っても売れなくダブつく)がないので、赤字にならないのです。

そして、自社ビルを保有していると、固定費として、人件費ぐらいなのです。

これが、飲食業、家電量販店、製造メーカーだと、店舗や工場、倉庫などの固定費が、景気や売上の上下に関わらず、発生してしまいます。

商社には、在庫がない分、在庫リスクもなければ、固定費も限りなく低いのです。

 

3)場合によっては定期収入も

原料は流れものと呼ぶ

業界用語で「流れもの」と呼びますが、材料や原料を扱うと、定期収入になります。

例えば「化学メーカーに、素材の原料を納める」など。化学メーカーは、自社工場で、化学製品を作っていますので、定期的に原料を購入しないといけない。商社としては、勝手に流れていく商材になるため、安定収入になるのです。

しかし、納期管理や、お客さん側の在庫管理など、安定的に供給するために、絶対にミスは許されないのです。濡れ手に粟のような、楽な商売でもない。万が一、化学メーカーへの原料供給が止まると、工場稼働が止まるなど、大問題になります。

よって、場合によっては、安定供給のために、商社が在庫したりもします。

 

4)大資本が必要

それなりの資金が必要

それなりの資本がないと、商社ビジネスはできません。なぜなら、各社から、先に、商品を買い上げる(仕入れる)からです。キャッシュフローとしては、必ず、支出が先で、収入があとです。

「大資本が必要だからこそ、参入障壁も高い」とも考えられるので、競合先が限定されるのは良い点です。インターネットの転売(いわゆるセドリ)で、すぐに価格競争(値引き競争)になるのは、皆んなが、個人でも、小資本で簡単に始めることができるからです。

何十億の設備を仕入れて売る、などは、さすがに個人や小規模の会社にはできないのです。

 

商社がどうして世に必要なのか?

どうして商社が、世の中に必要とされているのか、具体例をあげて説明しますね。

仮に、

売りたい人:扇風機を作る和歌山の中小メーカー

買いたい人:南アフリカの大手家電量販店

という、2社があったとします。この2社の間に、商社が入るとしますね。

専門用語も出てきますが、しっかりついてきてくださいね。

商流

このように商社が間に入ることを「商社を噛ます」と言ったりします。

商流とは、漢字の通り、商売の流れです。メーカーは商社に売る、商社は量販店に売る、その「商売の流れ」を指します。ここ実は、非常に重要なのです。

自分たちは誰に販売していて(お客は誰?)、仕入先はどこで、そして、エンドユーザーは誰なのかを常に意識しないとなりません。

仕入先 お客
メーカー 商社
商社 メーカー 量販店
量販店 商社 一般客

メーカーの客は「商社」

商社の仕入先は「メーカー」客は「量販店」

量販店の仕入先は「商社」客は「一般客」

この場合、一般客がエンドユーザーの南アフリカ人となります。

 

管理費

商社は、商流に入りますので、そこで、手数料をとります。

業界用語では「商社の管理費」と呼ばれます。仕事の中身にもよりますが、数%〜20%ぐらいでしょうか。

実は、メーカーも、量販店も、ホンネは、直接取引き(商社抜き)です。それは両社とも分かっています。

なぜなら、メーカーからすると「商社が入らないと、その手数料分だけ、販売価格を上げられる」と考えますし、量販店からすると「1円でもコストを抑えたい」と考えます。

では、なぜ商社が入るのでしょうか?

 

両社の問題を解決している

扇風機を南アフリカに販売

メーカーも、量販店も、直接取引するにあたっては、いくつもの業務(ハードル)が存在します。そのハードルを、両社が正確に理解して、1つ1つ、自社で対応できればいいのですが、どうしても、手間が掛かってしまいます。

手間だけならいいですが、物理的にも経験値的にも、出来なかったりします。

本業に集中したいのは皆んな同じです。結果、それらの業務を、商社に任せてしまうのです。

どんな、問題があるかというと、、

■メーカー

・自社に海外営業する人材がいない

・海外取引も少ないし人材を雇うまではいかない

・日本円で商売したい(海外送金って大変)

量販店は品揃えを増やしたい

■量販店

・日本の中小企業、ちゃんと物が届くのか?

・お金を払って不良品が届いたら?

・米ドルでのやり取りは可能?

 

両社の、これら問題が解決されないと、買いたい人と、売りたい人が世の中にいるのにも関わらず、その間に、誰かが仲介に入らないと、成り立たないのです。

商社がいないと、このメーカーと量販店は、永遠にビジネス出来ないことになります。

メーカーも、量販店も、売り上げを伸ばして、利益をあげたいというのは、万国共通です。

その目的を達成するために「商社に、多少、管理費を払ってでも、自社の利益を出したい」と思ってもらえれば、そこに、商社が存在する意味があるのです。

 

商社が抱える4つのリスク

商社は、楽して、手数料を稼いでいるのかというと、そうではないのです。

一般的には、リスクに見合った管理費を頂いているのです。では、どんなリスクがあるのでしょうか。

1)売上未回収(最悪)

繰り返しますが、メーカーからすると、客は「商社」なのです。商社は別に、その商品を自分達で使うわけではなく、販売目的で仕入れるのです。

なので、メーカーから納入された時点で、メーカーに対しては支払い義務が生じます。メーカーからすると、お客の商社に納入した時点で、仕事は完了しているのです(手離れするという)その先のこと(量販店)など、知ったことないのです。

万が一、これが量販店に売れなければ、大赤字となります。売上未回収となると最悪です。

「在庫を持たない」というビジネスモデルでなくなってしまいます。

量販店からの正式発注書を待って、メーカーに発注するのが鉄則です。この順番を守れない人は絶対失敗します。

売り先の倒産リスクは常にある

それだけではありません。

量販店が突如倒産してしまうと、売り先がなくなります。必ず、与信調査(相手の会社が、信用出来るのか)をします。相手の会社がやばそうだとなれば、支払い条件を変えて、前金にします。お金を先にもらわないと、扇風機を渡しませんよってことです。

 

2)為替変動

為替リスクもある

通貨の問題があります。

メーカーへは「円」を支払いますが、量販店からは「ドル」が入ってきます。円⇄ドルの交換を、商社内で行わないとなりません。海外商社だと、会社の口座には、各国の通貨を持っています。

もし、急な円高で、仕入れがあがると、ドル売りで赤字が発生します(仕入が売上をオーバーする現象です)よって、大きな金額を動かす時は、銀行に、為替予約をかけて、為替リスクをヘッジしたりします。

為替予約とは、何ヶ月後に、通貨を円→ドルに両替する権利を、今買うことです。

 

3)輸送時の破損

海外輸送は破損がよくある

日本の配送業社ならまだしも、海外輸送だと、現地の配送業者がどんな貨物の扱いをするか分かりません。ここも破損した時の輸送保険(一般的に出荷額の0.5%)をかけたり、梱包方法を、指示したりして、リスク軽減します。

 

4)後出しクレーム

クレームを最小限へ

「頼んだモノと違う」なども最悪です。

事前に何度も、お客の「欲しいモノ」と、仕入先の「手配したモノ」が、イコールなのか確認します。これがシャンプーなど日用品ならまだしも、何億円もする設備となると、作り手と、使用者との認識エラーで、板挟みになります。

よって、分厚い設備仕様書などを読み込んで、ミスマッチを防ぐ必要があります。

 

部下に伝える「抑えるべき3点」

商社は在庫を持たない最強ビジネスモデルなのですが、その分、様々な落とし穴があり、それを1つ1つ埋めていく地味な作業なのです。

僕は、部下にはいつも同じことを言ってます。

室長
室長
商社の仕事は、基本的にとても簡単、単純明快。しかし「仕様」「お金」「納期」このどれがが欠けると問題になるので、この3つを抑えること

仕様 → 想像してたのと違う問題。

お金 → 予算がない。資金未回収。支払い条件問題等

納期 → 欲しいタイミングでモノが入らない

 

以上、商社のビジネスモデルについて、一気に、書きあげました。自分が書いてて思ったのは、「支払条件」「為替予約」「在庫管理」「信用取引」など、まだまだ語れる、商社ネタはありそうですね。

この世界に12年もいるのですから、語れて当たり前ですか。もっと、こんなこと知りたいなどありましたら、コメント頂ければ嬉しいです。

See you tomorrow.

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