全国の就活生よ、そんなに上場企業に入りたいかい?
いやいや、勝ち組はそこじゃない。何故なら、上場企業は、不特定多数の株主のものだからです。入社後、貴方の努力が全て報われることは、資本主義社会の仕組み上、絶対にあり得ないのです。
資本主義の仕組み、基礎の基礎を、解説したいと思います。
■こんな方にオススメ
・上場企業に入りたい就活生
・株式会社の「株式」の意味を知らない人
・一部の賢い人達に、騙されたくない人
目次
商売人と上場企業の違い
僕は、知り合いや、親類に商売人が多いんです。逆に、僕は、上場企業に勤めています。「商売人」と「上場企業」決定的に違う点があります。
利益を調整
①商売人は、いかに利益を下げるか、を考えます
②上場企業は、いかに利益を上げるか、を考えます
利益を上げると、その利益の中から、法人税がとられます。日本は税率30%ぐらいです。100万円の利益を上げても、30万円は、税金として微収されるため、結果として、その30万円は、その会社に残らないのです。
商売人は、うまく会社にお金を残すのです。「経費」で、この利益を調整できるのです。合法的に、利益を圧縮して、税金を払わないように出来るのです。
例えば、自家用車を買っても「社用車」として、旅行したとしても「出張費」として、食事しても「接待費」としてです。中小企業の社長が、領収書を集めているのは、この為です。
しかし、上場企業は、利益を出すことを求められます。何故かというと「株式上場していて、不特定の株主がおり、株主と経営者が分離している」からなのです。
株主と経営者の関係
①商売人 → 株主と経営者が同じ(中小企業など)
②上場企業 → 不特定多数の株主、経営者が違う
未上場企業であるDMM亀山会長のこの記事がオススメです。
上場企業は信用があり、資金調達をしようと思ったら便利。ただ、株主と経営者が別だから、合理性に欠く意思決定をすることがると前置きした上で、
↑このコメントに全てが凝縮されています。
会社は誰のもの?
会社は誰のものか?という議論がありますが、従業員のものでも、社会のものでも、社長のものでもありません。株主のものです。
株式会社という成り立ちが、そうなのです。「株式」を発行しているから、「株式会社」なのです。17世紀の初めにオランダ人が「東インド会社」をつくって、株式を発行したのが初めてです。
17世紀は、船で航海して植民地を手に入れていったワンピースみたいな大航海時代。当時は、香辛料をヨーロッパに持って帰れれば、莫大な利益が得ることができました。
しかし、個人が、船を造るには、巨額のお金が必要だし、航海の途中で難破したり、海賊に襲われたりと、危険があった。
そこで、もし船が災難に遭ったとしても、お金を出した人の一人ひとりの損失をできるだけ小さくできるよう、一人でお金を出すのではなく、大勢で出し合おうという考えが出てきて、発明されたのが「株式会社」なのです。
東インド会社と、現在の上場企業を比較してみると分かりやすいです。
現在 :東インド会社
従業員:船員(給与所得者)
社長 :船長(船員を管理して船を進める)
株主 :船を作るお金を出した出資者
よって、上場企業の社長も、厳密にいくと、株主から選ばれた「社長」なのです。上場企業の社員(僕など)は、株主のために「利益を上げる」ことだけを求められます。
上場企業は、決算報告が義務付けられていて、前年比プラス何パーセントとか「私たちの会社は好決算です」って言いたいんです。そうすると、株価が上がるし、配当金も増配できますし、結果として「株主様が喜ぶ」のです。
現場レベルでは株主が見えない
そして、現場レベル(僕や上司)でいくと「8月期末だから、営業数字をなんとしても上げるぞ」と、営業マンはプレッシャーを受けるのです。
しかし、それを言っている上司も、その上の上司も、その理由を多くは語りません。建前は「社長に命令された。会社の為に」でしょうか。本音は「自分の社内評価高めたい。役職上げて少しでも給与上げたい」でしょうか。
この上場企業の仕組みは、非常に巧妙にできているのです。
何故なら、現場レベルでは、自分の為に、家族の為に働いている、労働は美徳なんだという雰囲気が出ていますが、実態は株主の為なのですが、現場の当事者達は、1ミリもそんな株主のこと考えないのですから、ホント不思議です。
上場企業の従業員なんて所詮は雇われ
「上場企業に勤めてます」というと、世間一般で「すごいね」って言われます。
就活生も、建前では「御社で、自己実現したい」「御社のここに共感できます」って言いますけど、本音は「上場企業だと安泰だし、周りの目もあるし」って、ところでしょ?
上場企業は、勝ち組っぽく語られますが、資本主義社会の枠組みで考えると違います。資本主義社会を、うまく渡っているのは、商売人(中小企業の社長)です。
上場企業の社員が、いくら頑張ったって、年収は1,000万円そこそこです。しかも、そこから、税金を引かれると、手元に残るのは、たかがしれています。しかし、商売人は、青天井です。努力し、結果を出し、儲けた分だけ、自分の手に残るのです。
もう一度、言いますが、会社は株主のもの、利益も株主のもの、これが、資本主義社会におけるルールです。なので、僕は、休日出勤、サービス残業までして、自分の時間と労力を、顔の見えない株主に捧げたくないって強く思うのです。こんなこと、社内で口に出すと大変ですけど…
社内で、何を言おうと、また何を言われようとも、所詮、従業員同士であれば、全てはおままごとなのです。「騙されへんで。何が営業数字や?おままごとしてんちゃうで。俺らは株主に働いてるんやぞ」って、心の中で思ってます。
本質を見極める
これらは、むちゃくちゃ大切な、株主と従業員との関係性、本質です。
でも、この本質は、一部の人達(お金持ち)でしか、共有されてないような気がします。ホント世の中は、うまく出来ています。知ろうとしないと、騙され続けるのです。
実際、僕が、同僚などと、会社は誰のもの?という議論しても、誰一人として、上記の答えにたどり着いてません。役員レベルだと違うのでしょうけど。
再度、聞きますね。あなたの目標は、世間体の良い上場企業に勤めることですか?
僕は「自分のために生きたい」と強く思えば思うほど「ここじゃない」って結論にたどり着くのです。個人的な、愚痴っぽくなって、申し訳ないです。
See you tomorrow.