ゴーンさん海外逃亡について、堀江貴文さんが動画をいくつもあげています。
どこか、嬉しいそうに見えたのは、僕だけでしょうか?
僕は、すかさず、下記ツイートしたところ、堀江さんからリツイートされました。
ゴーンさんの逃亡劇、経緯を語る堀江貴文さんが、嬉しそう。https://t.co/efKKoaj7PG
堀江さんも、東京地検特捜部にやられて「徹底抗戦」という本まで出版して、最後まで、無罪主張されてました。
ゴーンさんも、YouTubeなどで、レバノンから徹底抗戦して欲しいです。今後に期待。@takapon_jp
— 室長@海外商社&YouTuber (@SHITSUCHO2019) December 31, 2019
堀江さんが「逃亡は、ゴーンさんにとっての正義だった」と理解を示しているのも、堀江さん自身、同じように検察から、厳しい取り調べを受けた経験があるからでしょう。
2人に共通しているのは、経済犯であり無罪を主張しているところです。
結果、
・堀江さんは、最高裁まで戦い実刑を食らいました。
・ゴーンさんは、堀江さんと同じ道が見えていたので逃亡したのです。
目次
僕はゴーンさんの支持者ではない
前振りが長くなり申し訳ありません。
僕は、彼ら経済犯が、検察にやられていくのを、非常に興味深く見ています。そして、自分の過去にも、同じように引っかかることがあったのです。
初めに断っておきますが、僕は、ゴーンさんの行った密出国を、支持しているわけでは無いです。日本の法を犯しているので、それは断じて許すべき事でないと思う。
またゴーンさんの横領などの疑惑については、犯罪にあたるのかどうかは、僕には分からないし、知る由もありません。そんなことを議論したいわけではないです。
なぜ、今回この問題を取り上げたいのか?以下2点あります。
①国家権力とは?
せっかく「司法制度」「検察官」などに、社会のスポットが当たっているので、国家権力を持った組織が、どんな性質を持っているのか?を、自分の経験をもとに語ります。
ゴーンさんが、無罪を主張しても、絶対に通らないと感じた国家権力とは?あの無力感だけは、取り調べを受けた人間でしか分からないと思う。
②人質司法を批判する
もう1つ、ゴーンさんが、レバノンで、世界のマスコミに対して、日本の人質司法を非難することは、長い目で見て、日本という国の利益になると思うのです。「日本が恥に晒された」と、決して、感情的に反応してはいけないと思う。
日本の検察も法律を破っている
「これは計画された謀略だ」 #ゴーン 被告の発言詳細https://t.co/a91GH2ySAI
#日産 自動車前会長のカルロス・ゴーン被告は記者会見で、1時間以上にわたって自らの主張を展開。身ぶり手ぶりを交えながら語った主な内容をまとめました。 pic.twitter.com/bfZQKtBhrJ
— 朝日新聞デジタル@金のデジモ (@asahi_gdigimo) January 9, 2020
ゴーンさんは、マスコミの質問に対して、自分が法を破ったことを認めている。しかも、正当化はしていない。
下記の回答が、彼の今回の逃亡の理由の全てを語っている。
「違法な出国だった。しかし、日本の検察も法律を破っている。たとえば、検察は(捜査情報を)リークしてはいけない。違法なことだ。私が日本を去るのは許されない一方で、検事はリークをして法律を破る。それはおかしい」
―検察が法律を破ったから、あなたも違法な出国を正当化できるというのか?
「正当化はしていない。検察が法律を破っているのに、誰も気にしていないということだ。検事が法に違反しているのに、誰も気にしない司法制度とは何なんだ。そんな制度をどう信じろというのか。
自分に置き換えて考えてほしい。法律違反を目にし、弁護士もそのことを話しているのに、何も問題にならない。公平な司法システムだと信じられると思うか」
―日本の裁判で無実を主張すべきでは?
「日本の弁護士には最高裁に進むまで5年はかかるといわれた。99・4%の有罪率で、(残りの)人生を日本で過ごさないといけないのかと思った。希望がなかったのでそこから逃げた。リスクをとって正義を求めた」
検察という、国家権力を敵にまわしても、絶対に自分の主張が認められない。自分の残りの人生を刑務所で過ごしたくない。だったら、リスクを取ってでも「自分だけの正義を求めた」のです。
【経験談】無免許運転で逮捕
僕は、若かりし15歳の時、無免許運転で捕まりました。結果、家庭裁判所に送られ、保護観察処分を受けました。
鑑別所や少年院は入っていません。元ヤンキーでもないですし、当時の行為を正当化するつもりもないです。バカだったなぁと恥ずかしいぐらいです。
当時、バイクのナンバーを付けずに、調子に乗って原付バイクを運転していました。
バイクに乗っている時に、警察官に追われました。無免許であることは認識していたので、逃げようとしましたが、僕が肩から提げていた鞄を、後ろから、警察官に引っ張られたのです。警察官もバイク、僕もバイクです。お互いスピード出てますので、非常に危ない状況ですね。
それでも僕はアクセルを回したところ、鞄の紐が切れて(鞄は警察官の手)なんとか、その場はしのげたのです。
しかし、鞄には、携帯電話も、財布も入っており、警察から、自宅に電話がかかってきて、出頭するように勧告され「もう逃げられない」と警察署に向かいました。
事情聴取で駆け引きされる
まず、取り調べの調書をとられます。
警察が、A4の用紙に、作文のように手書きで、こと細かく、無免許運転した時の状況を書いていきます。日時、場所、バイクの型式、向かっていた方向などです。
そして、調書に問題がなければ、最後に僕が同意のサインしないとなりません。出来上がった調書を一通り聞かされましたが、事実とは違うことが書かれていたのです。
警察官が鞄を引っ張ったのが原因で、紐が切れたのですが、調書には「室長が、自分で鞄を落とした」となってました。
おそらく、警察官が、鞄を壊したとか、無理に引っ張った(安全上の問題?)と書くと、警察側で、何かしら不利益になるからだと、直ぐに分かりました。
「ここは事実と違う」と、指摘しましたが、受け入れてくれませんでした。逆に「お前、暴走行為つけたろか?一発年少やぞ」と脅されたのです。
もう少し噛み砕いて説明すると「無免許運転だけにしてやってる。更に、暴走行為を加えると、罪が重くなって、少年院に入ることになる。どっちが良いかよく考えろ」というのです。
僕も、少年院には絶対に入りたくないので、従うしかありません。調書にサインしました。
また、当時、引ったくり防止キャンペーンをやっていたのか「お前の知り合いでやってるやつを吐け」と、何度も聞かれ続けました。知らないと言い続けましたが・・
世の中、このような警察官だけでないと信じたいし、僕は、ただただ運が悪かただけなのかもしれませんが、これは全て事実です。
国家権力には逆らうべからず
こちらが、少しでも不利な条件がある場合(無免許運転)は、取調室で、国家権力に何を主張しても、ダメなのです。
逆らうことは絶対に出来ないのです。立場が違うので、希望は有りません。僕は、あの取り調べの雰囲気は、今でも鮮明に覚えています。
ゴーンさんや、堀江さんは、あの取り調べを、1日中、何日間も拘束されながら、受けたんだと想像すると、鉄の精神力がないと、普通は折れると思います。ゴーンさんは「家族がどうなってもいいのか?」と脅されたと言います。※その後、奥さんにも逮捕状が出る。
もう一人、堀江さんと同様に、東京地検から制裁を受けた、村上ファンドで有名な村上さん。証券法取引違反ですが、取調べで、ゴーンさんと同じく、人質を取られたのです。
検事から「そんなに否認するなら、ファンドの幹部三人も逮捕するぞ」と脅された。インサイダー取引きを認める代わりに幹部の逮捕は免れた。まだ司法取引なんて仕組みが導入されていない時代に、このような取引が行われていたのです。
※池上 彰「日本の戦後を知るための12人」より
冤罪の痴漢など、自分がやってないことも、やったことで、調書にサインする人、中にはいると思います。
大阪の末端の警察官ですら、未成年に対して、自分たちの小さな過ちを認めないのですから、ゴーンさんが指摘する「東京検察もリークしている、犯罪だ」と叫んだところで、国家権力は認めないと思う。
僕は、現行犯逮捕されたので、犯罪者ですが、ゴーンさんは、まだ被告(罪が確定してない疑われている身)なのに、です。検察庁のプライドが掛かっているのでしょうか。
ゴーンさんの「日本の検察も法律を破っている」という主張を聞いて、15歳の頃に受けた取り調べでのやり取りを、思い出したのです。
長期的には日本にとってプラス
ここまで話を聞いてくれているあなたは、おそらく「犯罪など物騒なことからは、自分は、ほど遠いところで生活している」と考えてませんでしょうか。
自分は、絶対に犯罪をしないので、もっと、厳罰化して、社会から犯罪者を取り除いて欲しいとまで思ってないでしょうか。
そんなことはありません。いつか、あなたのパートナーや、親や子供が、冤罪で取り調べを受けるかもしれません。証拠も不十分で、何ヶ月も拘束されて、精神的圧力を受けて、国家権力に負けて、冤罪を「自分が犯しました」と、罪を認めてしまうかもしれません。痴漢の冤罪など、ホント危ないですよね。
警察は犯人を逮捕、検察は裁判に持ち込むかどうか判断し、状況証拠と供述を集めるのです。
そんな、警察、検察、裁判所が、社会的に機能していなかったら(暴走していたら)あなたや、あなたの身の回りの方が、不利益を被るのです。
ゴーンさんが、海外から、自由に、日本の司法の問題点を指摘することは、長期的には、日本全体の利益になると思うのです。
メディアは、検察や法務省の味方ですが、その見方だけではいけないと思う。
海外 vs 日本、、と対立構造を作り出し、メディアに国民感情を煽られて、反射的に反応してはいけません。もしも「内政干渉だ」とか言い出すと、お隣の国と同じことになりますよね。
各国から、グローバルな視点で、日本の司法制度を批評してもらう、絶好の機会だと思います。未来の日本がもっと良くなるためにもね。
堀江貴文さんのニッポン放送に関する裏側。これを読めば、彼が何かの圧力によって逮捕されたのが分かります。
村上ファンドこと村上世彰氏、検察との執拗な取調べ、投資に対する基礎が学べます。
池上彰先生が、堀江氏、村上氏を題材に、フラットな視点で書かれている良書です。池上さんが、村上氏に本を書くようにアドバイスして「生涯投資家」がかかれたのだとか。
See you tomorrow.