本投稿は、100k走の【後編】となります。まだ、前編、中編を先にご覧くださいませ。
ちょっと、おさらいしますね。
自宅から50キロの地点で行って、折り返してくる計画です。タイは、外出規制が発令されてて、夜の22時までに必ず戻らないといけない。しかし、32キロ地点で、足に水ぶくれができて、膝にも痛みを抱えることに、、
目次
灼熱の体感温度42度!
とにかく暑いんです。
スマホで確認すると、気温34度/体感温度42度と表示されてました。
心の中では「この体感温度は、普通に外に出てる人が感じる温度やろ。直射日光が照りつける、アスファルトの上を歩いている人の体感温度は50度はいってるわ」と。
銭湯にある一般的なサウナは80度ぐらいです。そこまではいかないですが、白い蒸気でモクモクしてるスチームサウナは、40-60度といわれてますので、ちょうど同じぐらいです。
そのスチームサウナで、座るだけじゃないですからね。その中で、何時間も歩行運動してる感じです。
独り語りの難しさ
今回、初めて、自分語り・独り語りしてみたんですけど、面白くないです。↑この動画も、アップするのか、ゴミ箱に入れるか、悩んだぐらいです。
編集してて気付いたのは「やっぱり民放番組って、すごいなぁ」と。感動すら覚えました。
皆さんも、深夜テレビ、バラエティー番組、YouTubeをみてても、若手芸人やらがスベってたら「こいつら、おもんねー」と思う時あるでしょ。僕はよくあります。
それは「みてる側」だからです。「つくる側」に、まわってみると、これらの難易度の高さに気付くわけです。
顔の見えない人に、動画コンテンツを通して、どう楽しんでもらえば良いのか?と考えるのですが、これが、むちゃくちゃ難しいですよ。世のプロデューサーさん達も同じこと考えてるんでしょうね。
今回、企画、演出、撮影、編集、告知、公開、全て、僕ひとりで行ってます。
いつもとテイストを変えて、エンタメ要素を入れつつ、その間に、僕の世界観も入れようと、企画したわけです。
演出は自分、ひとり語りです。撮影も自撮り。動画編集も自分。Twitterでの告知も個人アカウント。公開はYouTube、ってな感じです。完全に「ひとりテレビ局」ですよね。
この経験を通じて、メディアの見方が少し変わったんですね。「つくる側」視点が、加えられたのです。どんな番組をみても、字幕の付け方、音楽の入れ方、画面の切り替えタイミング、だとかが気になって、「スゲー、次は、そうくるかー」って、作り手の工夫に感心したりします。これはこれで、収穫でした。
折り返し地点
話が逸れたので、戻します。
「18時間100km」が目標でしたので、折り返し地点では「9時間50km」が、一つの条件でしたが、47kmしか進めませんでした。このまま、突き進むと、戻ってこれないので、自宅へ折り返すことにしました。
この時点で、すでに100kmは達成できないと悟っていました。体力の消耗で、ペースは時間とともに落ちていくわけで、前半で達成できずに、後半巻き返せるはずないからです。
半分の9時間で、50km未達、、危ないので今からUターンします。#100キロマラソン pic.twitter.com/DKIBZwiXVG
— 室長@海外商社&YouTuber (@SHITSUCHO2019) May 5, 2020
「暑い」しかコメントがない
55キロ地点ですが、変わらず灼熱の中を歩き続けています。
左足が「靴づれ」してしまって、それを庇って歩くので、次は右足が痛んでくる、という悪循環です。22時までに帰るぞー!と、口では言ってますが、本音は違います。
マジで暑過ぎる、、#100キロマラソン pic.twitter.com/ZzuXs8qM2A
— 室長@海外商社&YouTuber (@SHITSUCHO2019) May 5, 2020
2時間歩きっぱなし
16時ですけど、まだ日差しがきついですね。
途中で、何度か、動画撮ろうとも思ったのですが「ポケットからスマホを出して、独り語りする」ためのエネルギーですら、勿体無いと思ってしまってました。
そうして、気付けば2時間歩きっぱなしでした。
お昼ご飯も食べるにも「お店に入る→レジに並ぶ→ご飯を買う→食べる」というのも、面倒になっていたのだと思う。
そろそろ極限状態に、近づきつつありますね。
セブンで休みを取ったが…
食欲があるわけでもないですが、何か口に入れないと、いやエネルギーを取らないと危ないと思い、やっと見つけた、セブンへ駆け込みました。
靴下まで脱ぐのですが、脱ぐのも大変なんですね。身体がうまく前かがみにならないし、靴下を引っ張るときも握力を使います。そんなエネルギーすら、十分に残っていませんでした。
そして脱いでる時に「これ、また履き直すのにエネルギー使うやん。勿体無いな」と、休憩のことは頭になくて、次の出発する時のことばかり心配していました。
そして、セブンにも素足のまま入ってました。こんなの人生で初めてでしたよ。
15分ほど休憩をとって、また出発するのですが、足が重くなっていました。休憩したので、次に歩くのが、キツくなったのです。
自転車操業
右足を出して、キツイと思いつつ、、せっかく右足が出たのだから、次は、左足を出してやろうか、、あっ、左足まで出たんだったら、次は、もう1回だけ右足を出そう、、そんな精神状態、いや、自転車操業状態ですね。
どっちかの足が止まると、そのままリタイヤしてしまうことが、分かりました。
「だったら、絶対に、止まれない」
と、根性をふりしぼり、ここから30分近く自転車操業を続けて、最後の粘りをみせるのですが、ついに限界が訪れます、、
無意識のうちにタクシーへ
12時間半、65キロ地点にて、ギブアップしました。お尻の割れ目が、擦れて擦れて、痛くなってしまい、もう歩けなくなってました。
無意識のうちに、タクシーを呼んでました。
歩き方を見ていただいたら分かると思います。一歩一歩が、お尻に、激痛を伝えてくるのです。さすがに、疲労困憊でして、リベンジ宣言はできませんでした。
65キロでリタイアしました。タクシーに乗ってバンコクへ戻ってます。応援して頂いた方には申し訳ないです。#100キロマラソン
— 室長@海外商社&YouTuber (@SHITSUCHO2019) May 5, 2020
根性なくて申し訳ないです。。
体重は、71.6kgでした。なんと1日で、1.8kg減です。
歩数は、84,542歩。1週間分ぐらいの歩数を1日で達成した計算です。
【後日談】ハングリー精神とは?
「飢え死にする」 コロナで解雇、150キロ歩いて帰郷:朝日新聞デジタル https://t.co/ZAbdcqXJ2L #新型コロナウイルス
— 室長@海外商社&YouTuber (@SHITSUCHO2019) May 27, 2020
実は、100kmに挑戦する前に↑この記事を読んでました。
ラジュパルさん(42)は、昼は、気温30度以上の炎天下を歩き、夜は路上で寝た。約150キロを2日かけて歩いて帰った
要約すると、コロナで解雇された、都市の出稼ぎ労働者が、歩いて帰省する話です。ロックダウンで、列車も運行止められてます。
写真を見る限り、皆んな、サンダルで、しかも手荷物を多く持ってます。老若男女、年配者もいます。2日で150kmということは、1日75kmです。インドはコンビニもろくに無いんですよ。
僕は、トレーニングウェアに、マラソンシューズ、手荷物はなく最軽装でしたが、それでも65km地点でギブアップしました。
僕は、先進国生まれで、生まれた時から今まで、食い物にも、住む場所にも困ったとはない。
今住んでいるマンションには、プールもジムもあって、トレーニングもいつでも出来る。それでも100kmは達成出来なかった。
贅沢な環境で生まれたがために、もう、それが染み付いてるんですね。何というか「基準が低い」のです。最後の最後、根性で乗り切れないんです。
ミャンマー難民キャンプに訪問した時や、中国の春節で、立ちっぱなしで30時間も列車に乗っていた老人をみても、同じこと思いました。
体力じゃない部分、もっと根っこの、ハングリーなところで、負けてるんですよね。ここって、逆転不可能なところだと思う。
タイで仕事してても感じる
仕事上も同じです。先日、自動車工場に、ある設備を納めました。この設備が、ちゃんとライン稼働するのかまで、見届けないといけません。商社としての納入者責任ですね。
この自動車工場は、二勤(昼と夜)体制ですので、誰かが昼夜みないとなりせん。タイ人技術者が、一人しかおらず、なんと3日間も、彼が、現場で仮眠をとりながら、稼働立ち合いしてたのです。
いや、僕も、やろうと思えば出来ます。けど、色んな言い訳して、実際には、やらないと思います。
仕事のために、そんなに頑張りたくないってのが本音です。
と、労働者の権利を振りかざすでしょうね。
3日間、暑い中、同じ作業着で、風呂も入れず、布団で寝れず、現場で働き続けるのって、今の日本の新卒生の、何人が出来るでしょうか?ほとんど、無理だと思うんですね。
高度経済期の企業戦士(日本人)だったら、出来たかもしれません。でも、今は無理でしょ。別に、現代の若者が、腑抜けてるわけでもない、そういう環境下に育ったからなんです。
やっぱりリベンジしたい
僕には、ハングリー精神がないのは、わかった。恵まれた環境で生まれ育ってるからです。インド人に負けている。けれど、これで終わっていいのか?という疑問もあります。
リタイヤして、タクシーに乗った時、限界点を超えた極限状態でして「もう一回チャレンジする」とは言えませんでした。
しかし、冷静になって考え直しました。
やっぱり悔しい。
むちゃくちゃ悔しい。
SNSでこれだけ発信してて、
リタイヤして終わりってないやろ?
ここで宣言します。
もう少し、涼しくなって、また外出規制が解除されてからにさせてください。
インド人に、ハングリー精神では負けてますが、チャレンジ精神では負けてないのを証明したいのです。
↑こういうところ、僕って、年齢的に大人になっても精神的には子供のままの状態を指す、ピーターパン症候群なのかもしれませんねw
長文、お付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.