僕は、バンコク在住9年目に入ります。その間、引っ越しを3回しました。
うち1度だけ、敷金の返却で、オーナーと揉めに揉めまして、8万バーツ(約28万円)が返ってきませんでした。泣き寝入りですね。
僕の前職は、不動産会社です。宅地建物主任者でもありました。不動産に関しては、素人でないと自負してましたが、それでもやられました。
海外に住む日本人が、海外の大家に、カモにされるって、往往にしてあります。
悪質なオーナーは「日本人(または日系企業)は、お金あるだろう」という打算があります。また、現地の法律や弁護士などの繋がりもあり、正面から戦っても、太刀打ちできません。
現地人とは、同じ土俵では勝てないのです。外国人はどこまでいっても「二等住民の鴨」なのです。
海外では、住居トラブルは、常につきまとうため、我々は、自衛しないといけません。前半は、僕の失敗談を、後半は、具体的な対応策を解説します。
■こんな方にオススメ
・これから海外駐在する
・海外移住を考えている
・敷金トラブルが過去あった
この投稿で、1人でも多くの日本人が、海外でカモにされないことを祈っています。
目次
僕の失敗談
2014年、家賃4万バーツ(14万円)のコンドミニアムに、家族と入居しました。タイ人オーナーの物件です。バンコクの日系不動産会社に、仲介してもらいました。
家賃2ヶ月分である8万バーツを、保証金(敷金)として支払いました。
この日系不動産屋は、入居前にも、オーナーと立ち会ってもらい、現状の写真を撮ったり、契約書も作成して、比較的しっかりしており、安心しきっていました。
何かあっても、ここに頼ればいいやという甘えもありましたね。
それから経つこと4年、退去する時に、オーナーから「部屋のダメージが多く、保証金を一切返金できない」と。多少のダメージはありますが、それは、常識の範囲内(経年劣化も含む)です。
焦って、日系不動産屋に問い合わせて、衝撃の事実を知らされました。
入居時には
オーナー → 日系不動産 → 室長
という契約が、
退去時には
オーナー → 室長
という直契約に変更されていたのです。
よくよく聞くと、入居2年目から、オーナーから不動産屋に連絡を入れて、今後、直契約になると伝えてたようです。してやられましたね。オーナーからすると、不動産屋に払う手数料を、直契約にして、自分の利益にしたかったのです。
2年目以降の契約更新時に、オーナーと自分だけだったことに、疑問を感じなかったのが、僕の落ち度でした。元不動産屋なのに、ほんと情けないです。
そもそも、このオーナーと、不動産屋は、裏で繋がってたんじゃない?日本人を嵌めてるんじゃない?とも勘ぐってしまいますよね。
ありとあらゆる抵抗
合計28万円ですから、僕も「はい。そうですか」とは引けません。
子供3人もいるサラリーマン家計の28万円は、決して安くないのです。命懸けです。元不動産屋でもあり、意地でも取り返してやるぞ!と燃えに燃えましたね。色々、知恵を絞りました。
・日系不動産へのクレーム
そもそも、契約形態が、変わったタイミングで、こちら(賃借人)にも連絡すべきでしょう。「オーナーに、そう聞いた」と言っても、連絡ないのは不親切でしょう。
「日系でありながら、不親切だろう」この1点で不動産屋と戦ったのです。
僕はここの不動産屋に突撃しまして、窓口で何時間もゴネにゴネました。もう営業妨害レベルですね。こっちも必死ですから、仕方ありません。
彼らも、このタイ人オーナーの他の管理物件を持っているわけですから、そこから、8万バーツを引っ張るなり、オーナーの首根っこを抑える方法はあるはずなのです。
しかし、契約書が、毎年更新である以上、賃貸業者からすると関与しないというのです。
それは、商取引上は正しいのです。しかし、道義上どうなの?日本人がカモにされてて、それを助けるのが、日系不動産の役割じゃないの?と訴えたのです。
店長と、窓口であまりに激しい言い合いになったので「少しお待ちください」と待たされて、次は、用心棒のヤクザ風の日本人が現れました。あきらかに、この店舗の社員ではないのです。
トラブルのケツ持ちとして、ヤクザを使うのは、日本の不動産屋でありがちなのですが、まさか、海外でも、同じような用心棒がいるなんて、、初対面なのに恫喝されましたね。
しかし、僕は、相手がヤクザだろうが、ビビりません。「カタギを舐めるなよ」と言わんばかりに、関西弁で言い返すやり取りが続きます。
お互いが鼻先が、ぶつかるかどうかぐらいまで、近づいて睨み合いし、どなり合いとなりました。28万円が掛かってますからね。
こうなった場合、感情的に殴った方が負けです。殴られたら、怪我したと、訴えればいいだけですから、殴れられたもん勝ちです。彼も、それを熟知していて、絶対に手を出してきません。
ここまで発展してしまうと(争ってしまうと)ここの不動産屋は、絶対に僕を助けてくれない、ここから、どれだけ罵り合っても、無駄だということで諦めました。ヤクザの勝ちですね。
唯一の後悔は、この時のやり取りを、録音でもして、YouTubeに公開すれば、面白かったのになぁ…と。
・タイ人オーナーに情で訴える
真正面から押してダメなら、感情に訴えることを考えました。
3人の子供を使って「お金を返してください。私たちの来期の授業料です」と英語で話させて、その動画を撮って、タイ人オーナーへLINEで送りました。
オーナーにも子供がいるのは知ってましたから、そこで動かないかと思ったのです。
しかし、状況は変わりませんでした。
最後には、弁護士の連絡先を送ってきて「法廷で受けて立つ」というのです。
こっちも弁護士を立てようと、知り合いのタイ人にも相談しましたが、弁護士費用・簡易訴訟をすると、保証金8万バーツより、高額になってしまうので、メリットがないと言うのです。完敗ですね。
・海外旅行保険は使えないのか?
駐在員ですと、会社が海外旅行保険に入ってます。保証内容には「携行品損害」も含まれており、海外で自分の物を壊してしまうと、20万円までなら、保険適応されるのです。
免責もありますが、保険適応が認められれば、一件落着ですよね。
オーナーの保有するソファ等を、汚して壊してしまった(広義には合ってますよね?)と、僕は、某日系保険会社のバンコク事務所にまで足を運んで、責任者に経緯を説明しました。
その時のメールがこちらです↓(読み飛ばしていただいてOKです)
先日、ご相談させていただきました、家財破損についてです。
2014年5月 バンコク内のコンドミニアムへ入居しました。2018年5月 退去時、家財破損と指摘され、8万THB補償金戻らず。また家財の破損は、故意ではございません。4年間住んでおり、経年劣化、通常損耗という認識です。
ですが、タイ人であるオーナー(Mr●●)は、全て、賃借側の問題と主張し、折り合わず、弁護士を介して欲しい言われ、泣き寝入りしている状況です。
日系▲▲不動産にも、相談しましたが、オーナーが、▲▲不動産と2年目以降契約延長せず(入居時は、▲▲不動産経由だが、退去時は、オーナーと私との個人契約となっていた)私と、オーナーで直接、話し合う必要があると、助けてくれませんでした。
▲▲不動産、オーナー、オーナー弁護士の連絡先は、下記となります。本件について、御社より、直接、各人へ連絡することは構いません。
こんな頑張りもむなしく「海外保険ではカバーできません」でした。
会社からは、1万バーツ(3万円)だけ補填してもらいまして、自己負担は25万円となりました。
シンプルな解決策とは?
友人のイタリア人に、これら経緯を説明しました。悪いオーナーだったね、とは言われつつも「室長は、真面目すぎるんだ」と。
ヨーロピアンは、どうしているかというと、退去する2ヶ月前から家賃を払わないのです。
オーナーには「2ヶ月後に退去するから、最後の2ヶ月分家賃は、保証金で払う」と伝えるのだとか。おそらく、賃貸借契約からは、違反するでしょう。だって、故意に、家賃を滞納するわけですから。
でもね。我々、外国人は、海外でいつもカモにされてるわけですよね。
ローカルプライスと呼ばれるように、我々は、どこに買い物に行っても、現地人価格でなく、外国人価格という、高い買い物を強要されているのです。二等住民ですからね。
タイ人オーナーは「外国人だから」ということで、家賃も高めに設定してるはず。その高めなのは「外国人とトラブルになるリスク」も含んでいるわけですよね。
保証金で、最後の2ヶ月分家賃を払う方法も、そのリスクの一部だと解釈すれば、我々外国人の出来る抵抗は、これぐらいではないでしょうか?
この最後の2ヶ月は、オーナーとのバトルが始まります。万が一、裁判沙汰になっても、大丈夫なように、発信するメッセージには、細心の注意が必要です。
「もし部屋の状態を知りたいなら、部屋にきてください。綺麗に使ってます。保証金は返してもらえるはずですよね?」という丁寧なやりとりを心掛けましょう。
タイ人オーナーからすると、外国人を追いにくいのです。帰国すれば、まず、彼らは追ってこれないはず。国際裁判に訴えますか?いやいや、現実的ではないですよね。民事ですし、警察が動くこともないはず。
もしも、これぐらいの覚悟がない人は、保証金は諦めましょう。
真面目に生きるのでなく、ずる賢く生きましょう。日本ではなく、海外に住んでいる以上、綺麗事だけでは、喰われてしまうのです。自分のお金は自分で守るしかありません。
まとめ
・日系の仲介業者でも頼りにならない
・保証金と家賃を相殺させる
一人でも、カモにならないことを願ってます。我々は、海外では、二等住民ですけど、頑張りましょうね!
See you tomorrow.
これがゆとり世代ってやつですね
少し考えれば分かると思うけど…
もう少し考える努力ができるようになれば、ゆとり世代と言われなくなります
反省することが大事ですよ? ~See you tomorrow.…
[…] 敷金だって、2ヶ月分、一切返ってこなかったんですね(過去投稿↓) […]