円安は、本当にマズいです。本日10月15日現在、32年振りの1ドル=148円まで円安が進んでいます。
自国通貨が安くなって、喜んでいる国は、日本と韓国ぐらいだ、と、大前研一さんが昔に言ってました。ほんとその通りです。
日韓ともに輸出企業が多く、円安で海外販売が延びるから得だという経済学者もいますが、日本社会全体としてはマイナスでしかない。だって、円が安くなり、日本全体の購買力が落ちるからです。
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ドル建て資産は増えている?
ボクの金融資産は、ほとんどが、ドル建てです。だから、円換算して、増えてるように見えるのです。ここ数年、米株高と円安のダブルパンチで、すごく増えているように見える。
という単純な話じゃない。この論調で、投資自慢をネットで見かけますが、絶対に違う。
なぜなら、現金融資産が増えてるようにみえても、ボクの未来の収入は減り続けるからです。
日本企業に勤めると円安から逃げられない
日系企業で勤めたり、日本で商売していると、給与や収益は、全て「日本円」になります。
インフレと円安で、日本円の価値が下がる、イコール、ボクの未来の収入が相対的に目減りしています。
と思われるかもですが、これも違います。海外勤務でも、日系企業だと、円建てで、元の支給額が決まるのです。
日本の本社で勤めていたら月々50万円もらえるから、それを、現地通貨(タイバーツ)に換算すると、、となるわけです。だから、現地通貨の給与でも、どのみち目減りするんです。だから、円安はマズいのです。
円安で更に海外志向になるはず
「通貨の価値は、国力を表す」が正しいとするなら、円安が続いて、日本は、このまま凋落していくんでしょうか…
ここで、冷静に、よーく考えてくださいね。
「日本が凋落する」と「あなた個人が凋落する」というのは決して、同列に扱うべきじゃない。
国家と個人は違うのだから、感情抜きで「個人で生き抜く方法」を経済合理的に考えるべきなんです。ボクが、このアジア戦略室で伝えたい根幹は、まさしくここです。
そして、円安の自己防衛策としては「円建て以外の収入を増やす」しかない。
日経新聞(10月2日)に、興味深い記事がありました。
海外では、ヘルシーな日本料理が、まだまだ人気を博しています。日本で、寿司職人を目指しても、何年も低賃金で下働きさせられるだけ。だったら、給与の高い海外で、チャレンジする若者が増えている、と。
日本でのすし職人の年収は300万~500万円が中心。一方、海外からの求人は550万~650万円がボリュームゾーンだ。特に北米では新型コロナ後、給与のオファーがコロナ前比3~4割増の800万~850万円に上がっているという。すし職人の取り合いになっているほか、円安で日本円換算の給与が上がった影響もある(記事抜粋)
円安になったことで、外貨建ての給与があがっているのです。
一昔前に、中国人やベトナム人が、日本に出稼ぎに来ていたのと同じで、今度は、我々が海外に出ていくべきなのです。
この世界経済の大きな流れをいかに読んで、今の自分が、どうあるべきなのか、どういうポジションを取るべきなのか、みんなが、真剣に考えないといけないんです。
でないと、みんなが仲良く手をつないで、日本で貧乏になってしまいます。
それで良いよ、というなら、それで良いとも思いますが、ボクは絶対に嫌ですね。
See you tomorrow.