2018年初めて、仕事でパキスタンに行きました。
皆さん、パキスタンの場所ご存知でしょうか?
南アジアに位置し、インドの西側、アフガニスタンの東側です。日本外務省の危険地域、レベル3「渡航中止勧告」が出ている所でした。
中央アジアの国名には「◯◯スタン」というのが多いんですが、これは、ペルシャ語で「~の場所、土地」という意味だそうです。危ない雰囲気がありますよね。
アフガニスタンは「アフガン人が住む土地」、ウズベキスタンは「ウズベキ人が住む土地」、トルクメニスタンは「トルコ人が住む土地」です。
しかし、パキスタンだけ違って、ペルシア語起源の言葉で「清浄な国」を意味するのだとか。
そんな語源とは裏腹に、ここパキスタンは「テロリストの温床」と国際的にも非難されている国です。イスラム過激派ビンラディンが、最後まで身を隠したのも、ここパキスタンでした。
ちなみに、国の正式名称は「パキスタン・イスラム共和国」です。国名に宗教名が入るぐらい、信仰心があるのでしょうか。
目次
リアル北斗の拳
街並みを車で走りましたが、どの建物も、城壁のような高い塀に囲まれています。
ホテル入り口はもちろん、移動するバスの助手席には、銃を持った傭兵が、常に乗車してました。
街中には、女性が1人も居ませんでした。外出している人、全員が男性なのです。これは、かなり異様です。夜になると、男性でも、外には出歩けなくなります。
ちょっと、田舎に行けば、建物も少なく、廃墟も多くて、小さな砂漠が続いていました。
雨が降らないので、緑も少なく、砂煙も吹いている、走っているトラックの荷台には、兵士が銃持って座ってたりしますし、これって、どこかで見た風景だなぁと思っていれば、、
そう「北斗の拳の世界」でした。
ここで生まれ育った人にとっては「普通」
この「治安が悪いことによる社会全体のコスト」は相当なものです。
①家建てる時に城壁がいる
②移動する時は銃を持った傭兵と一緒
③女性は外に出れない
④男性でも夜は外出不可
しかし、ここに住んでいる人は、これが普通なのです。テロも、内戦も、小さい頃から身近な存在なのでしょう。
ここには、コンビニなど有りませんよ。家族団らんで、キャンプ張って、バーベキューに出かけるとか、甲子園に阪神タイガースを応援に行くとか、公営プールで女性がビキニを着て泳いで遊ぶとか、、それって、彼らには遠い遠い世界なのです。
※最大都市カラチの中心地には、ショッピングモールがありました。なぜか、Mac、Subway、Pizzahatなど、米国企業も沢山入ってました。地方と都市の格差は相当あると思います。
あるのは銃弾の跡が残った、廃墟とか、兵士がウロチョロしている、殺伐とした風景です。
僕たちは、安全な日本で育ったからこそ、彼らのこの現状が「おかしい」と、認知出来るんですが、彼らは「おかしい」と認知出来ないのです。
情報量が少なくて、比較の対象がないので、認知すらできないのです。
北斗の拳の世界で、生まれれば、それが、普通になってしまい、何も疑問に思わないのです。
何が言いたいかというと、逆もしかりなんです。僕たちだって、生まれ育ったところの「おかしい」ところは、自分たちでは、非常に気付きにくいのです。
①家庭を犠牲にして働きまくる
②本音と建前を使い分ける
③無神教者が多い
④同調圧力が半端ない
⑤過労死する・自殺する
これら日本では、当たり前・日常的のことも、諸外国からみると、実はおかしいところだらけかもしれないんです。僕たちは、気付いてないだけかもしれません。
僕たちの私生活も、彼らから見たら「巨人の星の世界」で生きているのかもしれないのですね。スポ根アニメのように、僕たち働きますから。
パキスタンの人達が、北斗の拳の世界で生きているのに、平気な顔しているのを見て、僕はそう感じました。
他の動画や、ブログでも、僕が「海外に目を向けよう!」とメッセージ発信している理由は、まさしくここでして、色んな世界を知ることで、比較の対象を多く持ち、自分たちを、再度見つめ直すことが大切なのです。
【おまけ】パキスタン人から聞いた面白い話
パキスタン出張中に出会った現地人に聞きましたが、、
①ホウキは有るのに、チリトリは無いと言い切る。
ネタかと思ったら、本当で、集まったゴミは、毎日、手ですくって、ゴミ箱へ。それ効率悪すぎですよ。
②いつでも握手を求める。
トイレに出てすぐで、手が濡れていても、ガンガン握手してきます。濡れた手で握手されるんですが、これはキツかったです。
③35歳男性が16歳の嫁貰う
僕と同じ歳のパキスタン男性が「室長の嫁はいくつだ?」と聞いてきて「35歳で同じ」と答えると「俺の嫁は16歳だ」と自慢してきました。しかも子供が2人いるようで。これ以上、深く聞きませんでした。
④ビンラディンを守ってない?
「米国が、パキスタンに、ビンラディンを引き渡すように求めたが拒否した」と僕は認識してましたが、実はそうではなくて、パキスタン政府も、他のムスリムも、彼ら過激派には否定的です。米兵を引き揚げさせたオバマにも「ダブルスタンダードだ」と好意的ではなかったです。
⑤親中国
過去、色んな国に行きましたが、ここまで、親中国な人達と会ったのは初めてです。中国は、パキスタンに対して、インスフラ投資を推し進めており(中東からの石油ルート)カラチの港整備などは、ほぼ中国がやってるようです。
まぁ、僕が会ったパキスタン人もそんなに多くないので、どれが真実で、どれがそうでないのかは、よく分かりません。
See you tomorrow.
[…] 【過去投稿】商社マンはどこでも行くぜ!パキスタン編「北斗の拳の世界観」 […]